レーヨン生地とは
レーヨン生地はとてもユニークな素材です。天然素材ではなく、100%化学素材でもありません。数少ない半化学素材の一つなのです。ビスコース生地は初めて開発された人工素材です。フランスの科学者ヒレア・ド・シャードネットによって1800年代に開発されました。1800年代末には科学者エドワード・ジョン・ベヴァンとチャールズ・フレドリック・クロスが英国で特許を取得しました。レーヨンはビスコースとも呼ばれており、人工シルクとして開発されたものです。天然シルクよりも安価で製造が簡単な素材です。ビスコースはセルロースファイバーでできており、セルロースは植物細胞壁、木材パルプの主な要素です。木材パルプは二硫化炭素を使って化学的な工程で処理され、水酸化ナトリウム水溶液で溶解されます。このような工程のため、半化学素材と呼ばれているのです。天然素材が原材料ですが、ビスコースの作成には化学的な工程が加わっているということです。半化学素材にはほかにも海藻でできたシーセル素材、ブナ材でできたモーダル素材、笹でできた竹ビスコースなどがあります。
製造工程
素材に印刷する際にはデジタル印刷技術を採用しています。昇華染色技術を使って転写紙にデザインをプリントします。生地に転写するわけではありませんのでご心配なく。専門の転写紙に熱を加えるとカスタムレーヨン生地の繊維奥深くに環境に優しいインクが浸透します。これにより、美しいフルカラーの高画質印刷が可能となります。何年も美しいプリントをお楽しみいただけます。この作業が終わると、オリジナルデザインのレーヨン生地が完成します。表面にデザインが張り付いているのではなく、素材本来の肌触りをお楽しみいただくことができます。工芸や洋服の作成にご利用下さい。プリント工程の特徴により、大きな面積に単色がプリントされると、変色や小さな欠陥が出る場合があります。これは想定内のことなので、可能な限り大きな面積に単色をプリントするのは避けることをおすすめします。
レーヨン生地の仕上げ
カスタムレーヨン素材の仕上げにはいくつかのオプションがあります。デザインの端で素材を裁断して、余白を切り落とすか、プリントしたそのままの状態で出荷することもできます。この場合、デザインの端には白い余白があります。また、プロの縫合職人がブラックまたはホワイトの糸でオーバーロック縁取りするというオプションを選択することも可能です。サイズをお選びいただく際は必要な分よりやや大き目でご注文下さい。また、縁取りするオプションの場合は完成までに数日お時間をいただくことになりますのでご了承ください。